Matilda's Diary

普通のワーママが世界に通用する子育てに挑戦するブログ。英語多読、海外子連れ旅行など。

Pam Muñoz Ryan 著 ”Esperanza Rising”

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Esperanza Rising

メキシコの大農園の一人娘エスペランサは、父を殺され、親戚に財産をだまし取られて、母や使用人とともにアメリカに逃げることに。新天地で待っていたのは、移民として農場でこき使われる生活だった。ストーリー展開は比較的単純で、メキシコを脱出するくだりなど、大人が読むと少々無理があるように思う部分もある。それでも、エスペランサ一家の土地に対する思い、移民として差別されながらも団結し誇りを忘れないところなど、細かい日常のエピソードの中に、作者の強いメッセージを感じる。巻末のあとがきを読んで初めて、作者が何故この作品を書かなければならなかったかがわかり、物語全体を振り返って改めて深い感動をおぼえた。無理のあるプロットも、一見なんでもない数々のエピソードも、すべてこのためだったのだ。

カリフォルニア旅行中に書店で購入した一冊。見渡す限り広がる果樹園を、かつてこのような歴史を背負った人々が耕していたのだと考えると、感慨深い。

英語は比較的平易で、リズムよく、読み易い。児童書だが、大人も楽しめる一冊。